この写真,不思議ですか?自然ですか?

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080304/148361/
「で,この写真なんですけどね,どうです?」
「うむ?ん?あれっ?」
「不思議な写真でしょ。でも,これを自然に感じる人もかなりいるんですよ」
ということなんですが、これを自然に感じるほうが、自然なんじゃないのかなぁ。ヒトの視野角は、限られていて、普段、認識している世界というのは、それを脳内でつぎはぎしているのはご存知の通り。この記事にあるように、一眼レフで、背景がぼけるというのを自然と考えるのは、レンズとフィルムあるいはイメージセンサを使った写真技術を通じて、3次元の立体画像を平面に写像する技術が未熟なるがゆえに、その未熟さを、自然と感じませんか?という論旨です。
黒澤明は、パンフォーカスを多用したとかいう話ですが、さすがに、黒澤。パンフォーカスこそ、人にとって自然だというのが、黒澤の世界。ボケが美しいというのは、あくまで写真の世界であって、花なら花を見て、背景がボケているという世界ってのは、普通の視覚認識じゃないですよね。背景も含めて、きっちりとフォーカスがあっているというより、フォーカスをあわせた画像をつなぎ合わせて、外界を認識しているのがヒト。
他でも、いわゆる写真愛好家が、いいと評価する背景が、「美しく」ボケた写真より、パンフォーカスの写真の方が、普通の人はいいと思う。それは、当たり前の感覚で、背景がボケた写真は失敗作とみなされる方が、普通じゃないかと思います。
今、ちょっとこだわっている歪曲は、やっぱり、だめ。ヒトは、直線をちゃんと直線と認識しています。アフィン変換の世界です。これは、ほんとにすごいことじゃないかと・・・・。
ま、こんな論議は、もうすでに、長年、論議しつくされていると思いますが、いまさらながら、この記事を読んで、???と思った次第。じゃ、お前は、どんな写真を撮ろうとしているのかというのは聞かないでください。写真再入門中です。記憶形状、記憶色。色即是空、空即是色。
考察は続く・・・・。

「この写真,不思議ですか?自然ですか?」への2件のフィードバック

  1. 脳学者の本を読んだことがありますが、見たもの対してかなりの部分を脳が補正しているようですね。
    眼の解像度は意外に少なく、デジカメ換算でわずか100万画素ほどで、多分、ギザギザのエッジを脳で処理しているらしいですし、カラー認識も中央部で周辺はモノクロなので、
    記憶処理が加わっているとのこと。
    私もパンフォーカスが自然のような気がしますが、本当はどんな風に写っているのか自分自身を見てみたいものです。

  2. 100万画素ですか。で、開放F値はどのくらいで、最小絞りはどのくらいに相当するのでしょうか。ちょっと調べたくなっています。まだ、ちゃんと調べてませんが、視野角は、さっとググっただけで出てきたいました。
    ちゃんと見えている中央部分を、35mmレンズ換算をすると、何mmくらになるのでしょうかね。あと、頭を動かさずに眼だけ動かして見える視野はどうなのかな。これは、なんとなく28mm程度って気がします。
    あと、ヒトの眼球といのは微細に振動しているという話も聞いたことがあります。100万画素程度の分解能を、振動させてサブピクセル処理をしている!?
    この話、奥が深そうです。なにかいい資料を見つけないといけません。めちゃくちゃ興味が沸いてきました。
    ヒトが見た感動を伝えるのは、パンフォーカスの広角画像だとして、アートとして美しいボケとか、ヒトの眼では見えない拡大画像や望遠画像などは、今回の「自然」に見える論議とは、もちろん別ですね。

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